下関のフグの話 人生には一定のプレッシャーが必要

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「下関のフグ」の話

下関のフグの話です。
下関で水揚げされたフグを、東京まで生きたままトラックで運びたい。

このとき、フグを入れた水槽をいくら快適な状態にしておいても、東京に着くころには、けっこうな数のフグが死んでしまうといいます。

ところが、フグを運ぶ水槽の中にフグの天敵であるカワハギを1匹だけ入れておくと、ほとんど100%のフグが、東京に着くまで死なずに生き延びるそうです。

なぜでしょう?

それは、嫌な相手がいるために、移動中ずっと気を張っているからだそうです。
同じように、人生にも一定のプレッシャーが必要ということでしょう。

ちなみに実際生きたまま水槽に入れて輸送されるフグはトラフグなどの高級品。
ほとんどは冷凍されて輸送されるそうです。
また生きたまま水槽に入れる際も、身を引き締めるために絶食状態にし、
共食いを防ぐため歯を折るそうです。美味しいフグのためにはこういった工夫も必要なのですね。

フグの身欠き

こちらのフグの身欠き(さばく)動画が素晴らしいです。

フグが自分の毒で死なない理由

フグの毒(テトロドトキシン)を発見したのは日本人の田原博士。
テトロドトキシンは非常に強力な毒で致死量は1~2mg、青酸カリの1000倍の強さ。
フグの毒が含まれる卵巣には1gあたり100mgのテトロドトキシンが含まれると言うので
フグ肝を一口(10g)も食べればあの世へ行ってしまうことになる。

そんな強力な毒がフグ自身に効かないのは、体を動かすための神経伝達物質
「ナトリウム・チャネル」が関係してる。

人の体内にテトロドトキシンが入ると、このナトリウム・チャネルに結びつき
神経が動かせなくなって呼吸困難で死んでしまう。

しかしフグ自身はこのナトリウム・チャネルが人とは少し違うため、
結びつかず効かないということがわかっている。

ちなみにフグの天敵でありフグの一種であるカワハギもこのナトリウムチャネルが違うため
フグ毒(テトロドトキシン)が効かないようだ。

養殖フグが無毒である理由

最近つくられている養殖フグの中には無毒のものもあるといいます。

フグは自分で毒(テトロドトキシン)を作っているのではなく、
自然界にいるテトロドトキシンをふくむ貝などを食べて体内に毒を蓄積しているといいます。

そのため、コストはかかりますがきちんと餌の管理をして養殖すれば
無毒のフグもつくれるそうです。それでも食べないほうがいいと思いますが。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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