MacでKindleを自炊する方法(前編)

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Kindleは読む媒体がKindle媒体に限定されてしまいます。また本の管理をする上でもKindleの本棚ではなく、他の情報と一緒にフォルダの形式で管理したほうが都合がいいこともあります。
このページではMacでKindleの情報をスキャンし、ZIP形式で保存する方法をご紹介します。

この記事について

このページではMacでKindleの情報をスキャンし、ZIP形式で保存する方法をご紹介します。具体的な説明の前にまずは参考にした記事やその記事をもとにした改良点。使用するアプリについてご紹介させていただきます。

参考記事

このページは以下の記事を参考にさせていただきました。
「アップルスクリプトを使ってMac版Kindleで電子書籍の自炊 – Macのアンチョコ」
https://yama-mac.com/book_scanning_by_applescript/

Mac版Kindleで電子書籍を自炊する作業の大まかな流れは次のとおりです。

  1. スクリーンショット画像作成
  2. 画像トリミング
  3. 圧縮ファイルの作成

工夫した点

参考にしたサイトでは画像のトリミングが最も難しい工程でした。またMac版Kindleは動作が重く安定せず、ページが読み込まれないなどの問題がありました。当サイトではこの画像のトリミングを簡単により高画質にする方法とMac版KindleをChromeに変更することで動作を安定する方法を見つけましたのでご紹介させていただきます。

使用するソフト

  • Google Chrome
  • スクリプトエディタ(プリインストール)
  • XnConvert
  • アーカイブユーティリティー(プリインストール)
  • Amphetamine(必須ではないがおすすめソフト)
  • cooViewer(必須ではないがおすすめソフト)

MacでKindleをスキャン(自炊)する手順

MacでKindleをスキャン(自炊)する手順は以下のとおりです。

  1. Google ChromeでKindleを表示
  2. スクリーンショット画像作成
  3. ページを捲る
  4. Kindleのページ数の分だけ自動的に繰り返し

注意点:プログラムが実行中はMacを使うことができないので注意しましょう。時間はおおよそページ数(秒)かかります。例えば、200ページの本の場合、3~4分(200秒)程必要ということです。その間はスマホなどで時間を潰しましょう。

Google ChromeでKindleを表示

1,Google Chromeを開く

Google Chromeで以下のサイトにアクセスします。
https://read.amazon.co.jp/

2,スキャン(自炊)したいマンガを開く

スキャン(自炊)したいマンガを選びます。
(自動的に新しいタブで開かれると思います。)

今回は「銀河の死なない子どもたち(上)」というマンガを選びます。

3,全画面表示にする

スキャン(自炊)したいマンガが新しいタブでウィンドウ表示状態になると思いますので

  • 全画面表示でツールバーを常に表示するのチェックを外す
  • ウィンドウ左上の緑のボタンを押す

実行すると下のようになります。

を実行して漫画を全画面表示にします。

全画面表示でツールバーを常に表示するのチェックを外す。ウィンドウ左上の緑のボタンを押す。

なお、次のショートカットキーでも同様の動作となります。

  • command ⌘ + control ⌃+ F (全画面表示)
  • command ⌘ + shift ⇧ + F (全画面でツールバー非表示)
    をそれぞれ押す。

4,ページを単ページ(1ページ)表示にする

このままでスキャンするとページが見開き表示(2ページ)になってしまうため、スキャンしたときに見開き(2ページ)のままスキャンされてしまいます。これを解消するため Google Chromeの検証ツール(デベロッパーモード)ウィンドウを開いて単ページにします。

カーソルを上に持っていき、ツールバーから
「表示」→「開発 / 管理」→「要素の検証」を選ぶ検証ツールが開けます。
もしくはショートカットキー「fn +F12」や「command ⌘ + Option ⌥ + C」で検証ツールが開けます。
(個人的には「fn +F12」のショートカットで開くことが楽なのでおすすめです。)

検証ツールを開く
スキャンしたい漫画を上下の隙間なく、フルスクリーンで単ページ表示できた

これでスキャンしたい漫画を上下の隙間なく、フルスクリーンで単ページ表示できたため次の作業に移ります。

スクリーンショット画像作成

Kindleの本をスクリーンショットでコピーしていきます。Macには「AppleScript(アップルスクリプト)」というプログラム言語が標準で搭載されていて、日常の作業などを自動化することができます。このプログラムを使って、以下の自動化を行います。

AppleScriptの実行は、Mac標準のアプリ「スクリプトエディタ」を使います。
command ⌘ + スペース (Spotlight検索)でスクリプトエディタと検索すると出てきます。

スクリプトエディタ

こんな画面が出てきます。

プログラムのソースコードは次のとおりです。

-- ページ数
set pages to 169
-- 対象アプリ
set target to "Chrome"
-- 保存フォルダ
set savepath to "~/Pictures/"
-- 開始ファイル番号
set spage to 1
-- めくり方向(1=左 2=右)
set pagedir to 1
-- ページめくりウエイト(秒)
set pausetime to 1.0
-- 切り抜きサイズ(中心から)
set cropx to 0
set cropy to 0
-- リサイズ横(切り抜く前のサイズ換算=画面横/切り抜き横*仕上がり横)
set resizew to 0

if pagedir = 1 then
    set keychar to (ASCII character 28)
else
    set keychar to (ASCII character 29)
end if
if target is not "" then
    tell application target
        activate
    end tell
end if
delay pausetime
repeat with i from spage to pages
    if i < 10 then
        set dp to "00" & i
    else if i < 10000000 then
        set dp to "0" & i
    end if
    set spath to (savepath & "p" & dp & ".png")
    do shell script "screencapture   " & spath
    if cropx is not 0 and cropy is not 0 then
        if resizew is not 0 then
            do shell script "sips -c " & cropy & " " & cropx & " --resampleWidth " & resizew & " " & spath & " --out " & spath
        else
            do shell script "sips -c " & cropy & " " & cropx & " " & spath & " --out " & spath
        end if
    end if
    tell application "System Events"
        keystroke keychar
    end tell
    delay pausetime
end repeat
activate

以下は、スクリプトの使い方

  1. set pages to 169
    マンガのページ数を入れます。今回は169です。
  2. set target to “Chrome”
    今回はGoogle Chromeを使うため”Chrome”と入れます
  3. set savepath to “~/Pictures/”
    今回はスクショ画像の保存場所をピクチャフォルダにします。
  4. set spage to 1
    ページめくりの方向が左なら1、右なら2を入れます
  5. set pausetime to 1.0
    ページめくりしたあとの待機時間を入れますが、通常は1.0です

スキャン(自炊)の実行

KindleをGoogle Chromeで開いた状態でスクリプトエディタからスクリプトを実行。これで全ページのスキャンが行われます。
注意点:Google Chromeは検証ツール(デベロッパーモード)ウィンドウではなく、マンガのページの方をカーソルで選択しておいてください。そうしないと正しくページをめくることができません。

後編に続きます。

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